田川地区給食施設食形態連携ブック

ー 福岡県田川保健福祉事務所と筑豊栄養研究会との地域の栄養連携強化の協働事業 ー


 病院、高齢者施設等において、摂食・嚥下困難者への食事提供は、食事に関わる全ての担当者が形態や調整方法について共通理解することが必要です。転院(所)の際、患者・利用者の情報は転院(所)先に提供されていますが、食形態情報は不十分であることが多く、食事の連続性を確保できないことが患者・利用者のQOL低下を招く一つの要因でした。

このようななか、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会から「日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013」(以下「学会分類2013」)として、嚥下調整食およびとろみの段階分類が示されました。

そこで、平成28年度に、田川地区の各給食施設等において摂食・嚥下に関する知識や理解を深め、食形態に関する情報の共通認識を図るため、病院、高齢者施設等の管理栄養士による「栄養管理連携体制ワーキング会議」を設置し、「田川地区給食施設食形態連携ブック」(以下連携ブック)の作成を行いました。食形態の分類については「学会分類2013」を基準とし、調整方法の表記や写真による「見える化」を行いました。現在改訂された「学会分類2021」では、各施設の嚥下調整食がどのようなコードの食品から形成されているかを明記することが推奨されており、田川地区における連携ブックの取り組みは先進的であったと改めて感じました。

令和2年度には、福岡県田川保健福祉事務所と筑豊栄養研究会(CNS)は、「地域の栄養ケア連携強化の協働事業に関する協定書」を締結し、連携ブックをウェブサイト上に公開すること、栄養管理・食支援に関する情報提供を行うこと、栄養等に関する地域の連携強化に関する活動を行うこと等の協働事業をすすめています。

令和5年度からは、本事業を嘉穂・鞍手地区を含めて広域的に取り組むことが出来たため、連携ブックの名称を「筑豊地区給食施設食形態連携ブック」と改めました。また、今年度は、連携ブックを2023年度改訂版として更新を行うとともに、特定給食施設等の多職種を対象に研修会を開催し、関係者の嚥下調整食に関する理解を深める一助となりました。

今後も、高齢化の一層の進展に伴い、在宅療養者が増大することを踏まえ、関係する地域住民の切れ目のない個々人に応じた食支援に資するとともに、支援を担う管理栄養士等の育成と資質向上を図り、多職種を含めた地域における連携強化により地域包括ケアシステムを推進し、住民のQOLの向上を図っていきたいと考えております。

                                          

                                      2024年3月

                                      福岡県田川保健福祉事務所

                                      筑豊栄養研究会(CNS)

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 変更・お問い合わせは、方城療育園 栄養管理課 松岡(0947-22-5888)

 または chikuho.nutri●gmail.com (●を@に変更してください。)までご連絡ください。

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【連携ブック】施設別掲載